中国という国については慎重に距離を置いてきたつもりだ。

実は大学の時、これからはアジアそして中国だぜなんてことで（30年近く前にそう思ってたんだから目の付け所はよかったと言えよう）、第２外国語は中国語をとっておったのだが、あっという間にやる気なくした。
だって授業つまんないんすよ、文化大革命時代の人民日報の翻訳しろとか。そのころの人民日報の１面の記事って、どこたらの村で豚の大増産を成し遂げましただの、そんなんばっかし。
会話のほうもクラスで習った発音を、仲良くなった台湾人学生に、それは違う！と直されたりでオロオロ。今思えば台湾の人達って福建語訛りだったんだけどね。
そんなこんなしているうちに、気分はすっかりシチーボーイ気取りで授業（中国語に限らずですが）にはギリギリ単位取れる程度にしか出なくなっちゃったんですな。

会社に入ってから海外赴任をずっと希望してたんだけど（それが25年かかってやっと実現したわけで）、中国についてはその劣悪と噂された住環境などもあり、第２外国語のこともひた隠しにしたりして。実際ぜんぜん喋れないし。
つうわけで、ガッカリ島に赴任してからも中国出張からは逃げ回ってきたのであった。

特にここんとこ印象悪いよな〜。別に排日運動とかじゃなくて、なんつうかあの国の持つエネルギーっつうか、上昇志向っつうか、後先かまわずガツガツがんばる雰囲気がかなり鬱陶しいというか。
しかして今回どーしても行かなくちゃイケナイ（ってことでもないと思うんだけどなぁ...ブツブツ）ことになり、ワシはガッカリ航空の機上の人となっていた。

フライトは快適そのもの、ってアタリマエだ。ガッカリ航空はサービス世界一のお墨付きをいただいておるのだ。ネーチャンの質はかなり落ちたけど。
どっかの国の事故だの不祥事だの内紛だの赤字垂れ流しだのを繰り返してるナショナルフラッグとは違うのだ。

そんでもってまず到着したのは広州空港。ここで入国して国内線に乗り換える。
コレがたまげた。
新品もいいとこで、規模はアジアの航空ハブを誇る（乗降客数は成田に次いでアジア２位）ガッカリ島はチャンギ空港以上。トップの写真がそのロビーの一部です。なんかつまんねーの。

そして 世界水準の空港であると言うことをすぐに思い知ったワシらです。
チョイと昼飯でも食いましょうか、と入った空港内のレストラン。
それぞれ麺類（画像はワシがオーダーした排骨麺）ひとつづつとって、野菜炒めとってビールを一本づつ。コレでなんとお代は2500元。約50ガッカリドル。って約3500円ですよぉ！？

中国は物価が安いってぇ頭があったからこりゃたまげた。
でもまぁ、ビールに運ぶ役の人と注ぐ役の人が一人づつついてたりしたからなぁ。人テーブルに一人くらいのウェートレスいたし。

ヒローイ空港内には電動カートが走り回っており、このカート、あまりの広さに歩くのイヤになった乗客は25元（350円くらい？）で荷物と一緒に載せてくれるらしい。

さっきのクソ高いレストラン（２度と入いんねぇぞ、っていうかもう中国来たくありません）にも、現地の人らしいグループがけっこういたし、お金持ちはかなりお金持ちであるであるらしい。

それにしてもさっきのレストランといい、スタッフは多いですな。人件費は安いわけで、人は使い放題。
入り口近くにいたとき、バスからゾロゾロ降りてくるヒトタチがいたんだけど売店の店員さん。たぶん寮かなんかに住み込みで働いてんだろうな。

お客がいなくて店頭でテレビ番組を鑑賞される売店スタッフの皆さん。

で、今回の最初の目的地は甘栗市。
ここまで で３時間半、こっから４時間ちょっと。さすがに中国は広い。とはいえ、この新品空港ではまだガッカリ島にいるような気分も抜けきれず。

国内航空会社に乗り替えると当然周りは現地の人が圧倒的となる。
ミナサマ、アナウンスがあろうが、携帯使いまくり。
A300 の機体は新しいんだけど、なんだかうらぶれた気分になっちゃいましたよ。

機内食はいただけない。さすがのワシも残してしまいました。

団体客のミナサマも多いらしく、通路をドタドタ意味もなく歩き回りせわしないことおびただしい。
ナノのイヤホン耳にぶち込んで、うたた寝している間に甘栗空港に到着。

おぉ、オンボロ。
中国のイメージにぴったりでんがな。こうこなくっちゃ。
夕方の空港周りはだだっ広くて荒涼とした感じ。実は苫小牧の郊外に似てたりもして。

泊まったホテルは欧米系の５つ星。
チェックインをしていると半分以上ポンニチ人ビジネスマンなんじゃねぇのって感じです。

それもそのはず、甘栗市には最近トヨタ様の工場ができたらしく、急速な発展を遂げられているのである。
自動車産業すそ野広いからねぇ。

晩飯食いに外に出て近所の食い物屋を物色していたら、イキナリ「コンバンワー」ときた。
周りを見ると日本食屋や居酒屋らしき店ばっかし。
どうやらワシらが泊まったホテルのポンニチ人客目当てに日本食屋やらが集まってるらしい。

どうせ高くてマズイいに決まってるから、ちょっと高そうだけどまともそうな中華料理屋に。でも美味そうなもの全部品切れで満足度は30%。それでも値段は広州空港の半分以下ですわ。

間違ってオーダーした生のニガウリ。美味いわけないでしょ。

そうそう、飯喰ってからちょっと散歩したんですけどね、あとをついてきた赤ん坊抱いた女性がワシ呼び止めてなにやら話しかけてきた。風体からカネをねだってるんだろうと思いシカト。あとからガッカリ島の同僚（中国語オッケー）が「あれは貧しい田舎から出てきた女で、赤ん坊は一人っ子政策のせいで戸籍に登録できない子供。女は赤ん坊をちょっと抱いてくれって言ってたんだ。抱いたら最後すぐどっかにいなくなっちゃってエライ目に遭うんだそうだから気をつけたほうがいい」だと。
ふ 〜ん、やっと中国に来た気がしてきましたわ。

ちょっとビールも入ってホテルに帰ってバタンキュー。ちょっと移動で疲れたのかも。