クラビである。クラビクラビクラビ、クラビなんだってば！

と妙にコーフンしつつ始まったこのレポートですけど、なんつうてもワシにとっては初めてのクライミングトリップなのね。
んでもってワシ的にはJ-Rockの海外合宿なワケです。
クライミング始めてから、O.T.氏やらＳかいちょやらからさんざ聞かされてたわけっすよ「クラビはサイコー、クライミング天国」みたいな。
要するにビーチリゾートとクライミングのゲレンデが合体したような場所であるらしいと。

そりゃ、行くっきゃないだろー。
やっぱイーシュンで人工壁にとりついてるよかぜんぜん楽しいに違いない。
デイリーファームで自然壁もいいけど、ギャラリーにビキニのねーチャンがいたりした日にゃぁ、こりゃぁ普段は登れないグレードも一気に攻略でしょう。

なんてー、妄想をしながらも遂にそのときは来た。
というのもO.T.氏が帰国することが決まり、これはいっぱつ送別トリップにクラビに行くだろう、ちゅう事になったわけですね。

今回参加したのは、ＳかいちょとO.T.氏のベテラン勢に現在シヤワセ太り気味のNoakix、そして最年長にして駆けだしクライマーのワシの４名。Ｓかいちょ夫人のYONEさんは、タイ南部に外務省より出されている渡航検討情報のため、キャンセル。
ま、一粒種のリョータのことを考えると賢明な選択であろーな。

宿もフライトもすべてSかいちょにおまかせ。スンマソン。
そしてあっという間に当日は来たのであった。

早朝の空港には、リゾート客に混じる怪しげな男達が集結していたのであった。

ハリラヤ休みの次の週だったせいか、週末便にもかかわらず半分くらいの搭乗率だったんで、入国審査もスムースです。
審査官のおっさんが妙に陽気なのは観光地故か。

取調中

空港にはキッチリハイエースのトールルーフ車が待っており、ワシ的には日本に帰ったら乗りたいかもー、とか思ったりして。
いやマジ、長尺モンの搬送には最適なんすよ。でもエアコンの効きはちょっと悪いかもー。

で、こっからゲレンデ＆ワシラの泊まるリゾートまではクルマと船の乗り継ぎだそうです。

「クラビ」というのはワシラが行くリゾートがある県の名前であり、空港の名前なのだが、クライミングゲレンデとして日本ではエリアのひとつの名前である「プラナン」と紹介されてるらしい。

で、実はこの辺一帯登れそうなところがゴロゴロ転がる地形であり、船着き場までもあれどうよ、あそこはどうよ、みたいな岩山が点在しておる。

船頭のオヤジの顔があまりに味があるので載せてみた。

クラビリゾートはまわりを岩山に囲まれた半島であり、陸の孤島であるのでアクセスは船のみなのだった。
その船っちゅうのは、タイ名物の船外機つうかエンジンにスクリューシャフトを直付けした例の奴。こいつらには世界標準のヤマハの船外機もかなわないらしい。

ズドン、ズドン、ズドババババババァッっとエンジンがかかって出発うっ！

20分ほどで入り江が見え、どうやらココがワシラの目指すリゾートのあるライレイビーチらしい。
このほかにも断崖絶壁に隔てられるように4～5箇所のビーチとそれに付随する宿＆ゲレンデがあるとのこと。

干潮時で、船は岸からかなり離れたところまでしか来れない。
ズボンの裾まくって、ざぶりざぶりと岸に向かう。

雰囲気はさておきネックは「高台」。
けっこうな重さの荷物を背負う身にはこたえる。
これから、クライミングで疲れた体を引きずってこの階段毎日登るんでしょうか。
黒部湖ターミナルの階段思い出してちょっとブルーになったりして。

しかして、宿からの眺めは確かによかったです。

んでもって、荷を解くやいなや、早速初日午後のラウンドに突入。
朝イチ便に乗って、初日の午後、中日丸一日、そして最終日の午前中と、２泊３日で登りまくれるっつうのがこのクラビのアドバンテージっす。

とりあえず最新のルート図を入手するため、クライミングショップに向かう。
さすがメッカ。スクール兼ショップが何軒もあります。

さてこっからはクライミング。
ワシのいーかげんなレポートから、Ｓかいちょ御自らしたためられたレポートに引き継ぐとしましょうか。

パスしてポイントに向かう、あららら...。

まず、EscherWorld 。
宿のあるRailay　Eastからラヤバディホテルの裏を通って、Phra　Nang　Beachに出て、Railay　West　方向へBeach沿いに歩き、Taiwand　
Wallの裏側にあたる、どんつきから20～30メートルくらい登ったとこが取り付き。

体ならしにまず一番簡単なグレード４（５．７）のThe Playgroundと　５（５．８）のLong　Dooに取り付く。プリプロテクションは、両方ともスリングだけなので、
グレードが低くても決して安全じゃありません。特にLong　Dooは肝心なとこでプロテクションとれないし、結構やらしい核心で、ちょっとビビリました。（ね、ZZさん。）
このエリア、一見グレード6台の手ごろなルートが多そうだとおもってたのに、実際は☆印どころか、プロテクションの悪いルートばかりで、気楽に取り付ける6台は
全然なかったんですね。トポをよく見てりゃわかったはずなんですが。

ルートファインディング中
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そのあと、O氏がいきなり７a+（５．１２a)の２ツ星ルートDon't Grab The Krabiに挑戦。一見簡単に見えたんで、自分はオンサイト狙いと決め込み、
O氏の登りを一切見ずに隣のルートのビレーなどして気合いれてました。なんとなくO氏の様子だと1箇所の核心だけが問題みたい。

（左、下）Don't Grab The Krabi を攻めるO.T.氏

で、自分のオンサイトトライ。えらく簡単そうに見えてた核心はやっぱそれなりに難しいんですね。結局小野氏と同じとこで墜落。

Naokix,ビレイ中

自分は小クラック左側にある影部分が、下からは良いホールドに見えたんですが、実際はかなり外傾してて、余裕がないと止まりにくい感じ。
ムーブのシークエンスは、小野氏が悪い右手ホールドからクラック切れ目のかなり痛いホールドへ、かなり小さなフットホールドからデッド気味にとり、すかさずその上の良いクラックをとりに行く。これが正解だと思うんですが、自分はフットホールドがあまりに小さいのと、デッド気味でとるホールドが細くて痛いクラックなので怖かったんで、フットスタンスを左の少しでかいとこにとり、細いクラックはとらず外傾ホールドを同じくデッド気味にとる方法でムーブは解決しました。

んー、次のムーブは...。

かいちょも壁から落ちる。

そして２便目。ムーブは解決してたO氏は、他のルートもやらずかなりの気合で臨んだんですが、惜しくも核心で止めきれず墜落。
他のルートでちと遊んだ後、自分も２便目。やっぱ止まりそうで止まりませんでした。ちょっと気合も足んなかったかな。
さあ、３便目。またまた更に気合の入ったO氏でしたが、まだ全然回復して無い状態。とりあえずRPギブアップです。（う～ん２便目が悔やまれる～とO氏の一言）
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上から見るとこんな景色。
下を見下ろすと...。
（ポインタ当ててください）

「このエリアは終了。」

ってオイオイ。じゃ、他も登るんすかぁ？
ちょっと登ったら、宿に帰ってプール入ってシャワー浴びて、あとはまったり、てな事を勝手に想像していたワシは衝撃を受けたのであった。
だってワシの波乗りトリップって完璧にそーゆーリズムだから。

ところがO.T.氏、かいちょ共にハーネスすら外す様子を見せないのであった。
ご両者とも昭和30年代生まれ、社会人山岳会出身の元アルピニストっちゅうか根っからの「山屋さん」の本性を露わにするのであった。
海なんかでチャラチャラやってた連中とはワケが違うのであった。

「暗くなってきたので」って、Naokixが降りてきた頃にゃぁ、もう足元も見えないような真っ暗闇っすよ。
ところがベテラン両氏はとーぜんと言わんばかりにヘッドランプ を装着。

いやワシだって、トリップの標準装備のヘッドランプくらいはいつも持ってますよ。
でもそりゃぁ停電対策であって、まさかゲレンデクライミングでヘッドランプが必要だとは思いもせず、宿に置いて来ちゃいましたよ。

帰りの道でNaokixにヒソヒソ声で聞く。
「いつもこんな調子なの？」
「いや、そうなんすよ。」
あー、そーなんだぁ。

ほろ酔い気分で宿に泊まる途中にちょっと寄り道。
なんつっても、タイマッサージ。タイに来たからやにゃぁ、これナシじゃはじまらんでしょう。

ふんがぁっ、ちょーキモチイイっす。
なんてキモチイイのも一瞬で、あっという間に眠りに落ちるワシ。

部屋に帰ってワシが持ってきたＤＶＤを見たような気もするが、ワシは例によってほとんどそのまま爆睡でぇす。

たしか明日は６時半に出発だったような。あれ?ってことは朝飯食えないんすよねぇ。
ナニ？一本登ってから宿に戻って朝飯にする。
よござんす。早起きは得意。で、一本登って、宿に戻って朝飯食って、ちょっと休んで午後またゆっくりもう一本てことですな。

了解、じゃ、おやすみなさぁい。