この島に来てからご存知のとおり、腹筋日記なるみょうちきりんなプロジェクトを始めたワシである。
要するに生まれてこの方、今までずぅっと中途半端に体を鍛えていたよーな、鍛えてないよーな状態だったのを、一人暮らしになって環境も変わったのを機会に、一気に突き詰めてみようかと。
ご幼少のみぎり肥満児だった後遺症で、いまだにちょっと気を許すと体重激増。そんなわけでダイエット関係やら運動関係の情報収集には気を使っておった。
ターザンなんか創刊号からしばらく読んでたし、逗子に引っ越してしばらくはインチキロードレーサーみたいなので茅ヶ崎くらいまで行っては、そこから海岸の遊歩道ランニングしたりしたもんだ。

しかして、コンペティション関係にはまったく興味がなく、草レースに誘われたこともあったけどまったく見向きもしなかった。
唯一出たのが、逗子に引っ越す前に会社の研修で3ヶ月ほど富士山の麓のタコ部屋みたいな研修所にぶち込まれた時。
このときは寮形式で、なんとなく皆で地元の草レース（10キロ）に出ることになった。
それが唯一で、そのときの記録が確か45分ちょっと切るくらい。

で、こっちに来て2年目。クライミングを始めるようになって、O氏と毎週クライミングに通うようになり、40過ぎでクライミング、イコール体を鍛えなきゃいけませんね話になって、O氏もクライマーの常として下半身の強化には怠りなく、ランニングなどもかなり定期的にしているようであった。

んでもって、こっちのレースにも参加していると言う。
このクソ暑いのにレースっすか。
いや、それがきちんとオーガナイズされていて、一般市民のボランティアが応援したり給水してくれたりしてなかなか楽しんですよ。年に2回あるんだけど、どっちも参加して今年ももちろん。ZZさんも一緒に出ませんか。
でもねぇ、ま、その時んなったら考えますわ。

で、その時はあっという間に来るわけで、とりあえず12月にこっちの銀行が主催する大会の募集が始まった。 開催されるのは12月。 ちょっと体脂肪率11％くらいで足踏みしているときでもアリ、今年中に10％切れそうになさそうだったらこのレース目標に追い込めばいいや、なんて考えちゃったりして思わずインターネットの応募ボタンをクリック。

暫くするとO氏が9、月のレースの募集がやっと始まりましたよ、と。（ってもう8月ぢゃん）
じゃぁ、もうここは行きがかりで行っちゃいますか。とりあえず、ハーフマラソンなんて距離は初めてだし、様子見ってことで。
で、これまたクリック。
申込用紙をもらいに行って、あとから用紙とチェックを郵送なんてことだったら、絶対申し込まなかったよな。 イマドキ便利っちゅうかなんちゅうか。
なんとなく、そういや夕方ジョギングしてる人が増えたような気もするよーな。

直線距離ならうちのオフィスから15分程度と思われるのに、この島独特の一通・グニャグニャ道地獄に阻まれ、半ベソかきながら1時間ほどかかって到着。

受け取ったのは、なんだか妙にプラスチッキーなゼッケンと、Tシャツ。
このゼッケンにはどうやら10円玉大の発信機とワイヤーみたいなアンテナが仕込まれていて、通過ポイントなんかでのチェックと、ゴールタイムをこれで計測したりするらしい。新しモン好き、ハイテク好きのこの島らしいギミックである。

Tシャツのデザインは情けない。

さて当日朝です。
クソ暑い昼間に走りたくないのは誰しも同じ。スタート時刻は夜明け前の5時45分だそうだ。
ちなみにワシがエントリーしたのは「ハーフ40歳以上ベテランコース」です。 一応順位がつくんだそうで、そうなると順位は上のほうが気持ちいいだろ。若い元気なのと並べられてたまるか。

で、集合場所のドリアンホール前の広場に行って驚いた。

いるわいるわ、ワンサカいるいる。どっから集めてきたのってほどランナー姿の連中がテンコ盛り。
どうやら学校や職場単位で参加してる連中も多いらしく、そろいのランニング姿も目に付く。

受付もアーミー

それ以上に目に付くのは、迷彩パンツをはいたアーミーの皆様。
主催のSAFRAってのは"Singapore Armed Forces Reservist Association" なんだそうで、要は予備役兵の組織なんだな。国民皆兵のこの島じゃ、義務兵役のあとにも予備役として、必ず数年に一度訓練に出たりしなけりゃいけないのだ。

そんなわけで予備役の皆様の組織なるものもあったりするんだな。
そんな関係でこのレースも予備役の連中の体力維持も兼ねてるんだろう、軍隊が完全サポートってわけだ。
とりあえず、レジストレーションのテントでチェックを済ましスタートライン方向に向かう。

スタートまであと15分くらい。ゾロゾロと参加者が集まっている。前のほうではスピーカーであと○分でスタートでぇす、とガナっているが、時間どおりにスタートすんのかなぁ。

前を見ても、後ろを見ても人ヒトひと。ただ正直言ってこいつらホントにハーフマラソン完走できるんかい？つうような体型の方もいらっしゃる。もちろん走り込んでる風のヒトも。

スタート方向

後ろをみるとこの通り

さて、スタート予定の5:45が近づいてきた。O氏によればかなり時間はいい加減。ところが「ただいまゲストの陸軍ジェネラルなんたらさんがお見えになりましたので、時間通りスタートですっ！」とアナウンス。
なーんだ、時間にいーかげんなのはお偉いさんだったのね。 今回は大丈夫だったらしい。
特にピストルの音がするでもなく、「レッツスタート！」のアナウンスで前の方からぞろぞろと人だかりが動き出した。