ウエストジャワはハッキリ言って不完全燃焼であった。この１年間のトリップでサイテー、いやいやそんなことを言っては海のカミサマに申し訳がないので、その、ちょっと期待はずれでした、ぐらいにしておこう。

傷の抜糸も済んで、触っても痛くなくなったそんなある日、スケジュール帳を見ていると週末の予定がぽっかり空いていることに気がついた。（ひょっとするとお馴染みのパターンかも）
その瞬間ワシの右手に握られたマウスはスバヤク反応し、ポインタはお気に入り→旅行→旅行会社と移動。いつもの安売り航空券屋のサイトにたどり着き、木曜夜発日曜帰りの便に空席があることを確認するやいなや、いつものOMツァーのご担当MINAGAWAさんに手配依頼のメールを書き終え、送信ボタンを押していたワシである。
この間約10分。こーゆー時の手際の良さは、我ながらゴルゴ13がM16を組み立てるがごとき見事さである。

翌日、MINAGAWAさんの「宿あいてますよー」のメールを確認するやいなや、ワシの右手に（以下略）....木曜夜発日曜帰りの....あれ？昨日出てたはずの日曜夜便がないぞ。売れちゃったのか、昼発の便しかないんである。
これじゃ日曜は朝に出発しなくちゃいけないなー。実質、金・土の２日間かぁ。まいったなぁ。

でも行くでしょ。ってことで、気がつくと、ワシは早めに仕事を切り上げたらしく、木曜日の夕方の空港カウンターにいた。

ボードケースも重さをきっちり20kg以下に抑える律儀かつ慎重なワシである。

（ポインタ当ててください。→）

Have a nice fright !の声を背に、出国ゲートに向かう。
今回は寿司食わんモンねー。

週末の旅行者で座席はほぼ満パイ。この島の住人のほか、大韓民国、アメリカ合衆国やらの団体さんが賑々しくご搭乗である。

短いフライトだがここはジャズでも聴いて騒音を遮断しましょう、と音楽プログラムのページを開いたワシの目にjapaneseoldiesのプログラムが。

ヤバイでしょ、この選曲ムチャクチャ。
とおもいつつ全曲聞いてしまいました。

今回はワシの住む島のナショナルフラッグにご搭乗である。
さすが世界のビジネスマンが選ぶNo.1キャリアーだけあって 、機内食も隙のない献立。思わずデザートまで食っちゃう東南アジア限定ビジネスマンのワシである。

美人揃いで有名なはずのスチュワーデスが期待はずれだったのが、艶消しだ。

機内食を食ったあとはいつもの通り、ほとんど気絶したままホテルに到着。
そして、コテージの正面の海から砕け散る波の音がドドーンと響く。月が出てないためまったく見えないけど、サイズあるのかなぁ。
MINAGAWAさんのメールに「バリは波が上がっているようです。」って書いてあったモンなぁ。うひひ楽しみだぁぁぁ。

なんといつもなら夜明け前に目が覚めるはずのワシが寝坊だ。
慌ててコテージから転がり出たところ、目の前に見えたのは、潮が干ききりひと抱えもあるような石がゴロゴロしたむき出しのボトムと、その先に力無く割れる膝くらいの波であった。

波ねーじゃん。たぶん割れてるとこの水深は膝くらいでわないでしょーか。
誰も入ってないしー。
慌ててソンしたような、ちょっと安心したよーな、じゃなくて波がねーとはじまんねーんだよっ、どーなってんだ責任者でてこい状態となってライト方面に向かって海岸をうろつくが、そこは更に小さく脛サイズ。

ただしばらくすると潮があげてきたらしく、時々腰くらいのが入ってきたよーな、でもやっぱし気のせいのよーな、だけど実質２日だしサイズがどーとか言ってる場合じゃないよーな気もするし、とりあえず誰も入ってないうちにワンラウンドいってみよー、つうことで。

今回のテーマはまた新たにボードを仕入れたので、そいつの慣らしなのであった。いわゆるミニタンカー。ロングをそのまま短くしたやつです。
入ってみるとやっぱり腰から胸くらい。
始めての板＆レフトオンリーって事でちょいと心配だったが、4〜5本乗るうちにだんだん慣れてきて違和感がなくなってくる。なんだか短い分だけ動きもいいよーな、って、たぶん波がいいのと、一人だけで乗れてるせいだな。

小１時間ほど一人で遊んでると、すこしづつヨーロピアンらしいのが入ってくる。こうなると、とたんに調子悪くなるっちゅうか、乗れなくなるのがワシの情けないところで、他人のポジションとか気にしちゃうんだよなぁ。
まぁ、一人で入ってて乗れないときは、誰かいないとポジションがワカランとか言い訳するわけだが。

とはいえ、日が高くなりかけたところで沖の色がちょっと変わったと思ったら、例によって緩いオンショアが入ってきた。インサイドにはいつのまにか20人近いサーファーがゲティングアウトしてる。
むむっ、ひょっとしてあれはヨーロピアンネーチャンサーファー。ワシの天敵だ。
急にシラケて、もういいやって感じで、第１ラウンドは終了。

とにかくヨーロピアンネーチャンの傍若無人なこと。もうデタラメなドロップインの嵐っす。
インサイドで待ってる女なんか、ミドルセクションからずっと乗り継いできてるやつの目の前でテイクオフっつーかパドル始めて、そのまま真っ直ぐボトムに滑り降りて行く手を遮る始末。さすがにキレた白人サーファーが説教たれてたが、わかってんだかわかってないんだか、事態は改善しませんな。

日も高くなって、サイズも若干落ちてきたところでローカルのミナサマも少なくなり、ドロップインネーチャン軍団も前乗り疲れしたのか上がったようだ。

もそっと休もうかと思ってたんだけど、そんなタイミングで第２ラウンドに突入。
でもやっぱり面も悪いし、10人近い人数も入っていてなかなか乗れない。やっと数人上がったと思ったら、どうやらクタあたりから来たらしい日本人が4〜5名入ってくるし。
１時間ほどするとやっと人も減り、最後は日本人だけになっちゃいました。
人が減ったせいで、なんとか乗れるようになってきた。相変わらず面が悪くてボトムでボヨンボヨン跳ねちゃうような波だけどセットは頭近くてけっこう楽しいのであった。
波待ちしてる時、日本人の中で一人だけ年上そう（つうかオヤジです）な人と話したら、茅ヶ崎から来てるそうで「イヤー、暖かいし、波もあるし、天国ですねー。」だと。
そうか、天国か。そーだよなー、例えばこのクオリティの波が湘南で立ったらポイントパニックは確実であろう。イロイロ難癖つけてないでありがたく遊ばせていただこうではないの。

なんて感じで、２ラウンド目も楽しく終了でぇす。

ホテルに戻って、プールで塩抜き。
ビールなんぞを流し込んで、 ちょいとお昼寝。
いやー、確かに極楽でがんす。

軽くお昼寝をして起きると、日はやや傾き気味。
でもですね、本日はこれで終了ではないのだ。実質たったの２日間なのだ。元は取らねばならんのだ。
つうことで、夕方は前回ウェストジャワでまともに乗れなかった'7の板で修行です。ずっと'9以上のロングで波乗りしてきたんだけど、実は現在ワシの中では「ショートボードレボリューション」の真っ最中なんですね。気持ち先行だけど。
やっぱ、どんなコンディションでも１本の板でまかなっちゃうってのもかなりカッコイイが、コンディションに応じて板を替えるってのが自然だし、その方が安心です。ただトリップだと荷物が大変だわね。

海岸は潮が干ききって、岩っつうか巨大な玉石がゴロゴロ。その石に乗っかって釣り糸垂れてる人も数名。
それにしてもこの玉石どっから流れてきたんだろう。近くに大きな川があるわけでもなく不思議である。でもこの石のおかげでここがバリ最長のレフトポイントになってるわけですな。
インサイドは転ぶと石に直撃しそうだが、アウトから割れるのなら調子に乗らなきゃ 大丈夫でしょ。前回で懲りてるしぃ。

ってことで、たった一人で釣り人の間をパドルアウトする。
傾き気味の日差しの中でたったひとりっちゅうのも気持ちがヨロシイ。カメラ持ってくればよかったなー、でも転んでカメラ壊しちゃうと嫌なもんで。

アウトはそこそこの深さがありそうで大丈夫みたい。でも慎重に。 時々入るセットは腰〜胸。無風で面は綺麗に戻ってる。
こんな波ならショートボード修行中のヘナチョコなワシでも滑れちゃうから楽しい。そうそうテイクオフさえできれば、あとはなんとかなるんだよなぁ、などと思ったりもする。
のんびりしてたらそろそろ夕焼けタイムだ。あんまし暗いと戻る時岩にヒットしそう。入る前に決めた５本だけ長めのを滑ったところでそろそろ帰りましょう。
つうことで、本日は３ラウンドと勤勉なワシでした。

本日３度目のプールに飛び込むと、プールの水は温泉みたいで気持ちいい。

部屋に戻ってテレビをつけると、突然日本語が流れる。あれま、バリにもNHKの衛星放送が流れるようになったんですね。
ちょっと雰囲気壊れるかも。

初日としては充分遊べましたって事で、day2 : Freedom Is a Comingに続くんだにゃー。