６時に目が醒めとりあえず目の前のチマジャポイントをチェックしようかと....、あぁやっぱし予感は当たった。

ホテルの敷地内を流れる川がごうごうと音を立てて川幅いっぱいに茶色い水を海に向かって押し流している。

雨はほとんど止みかけているけど、空はどんより。

はぁ、と肩を落としてホテルに戻るとロビー（つうてもオープンエアーだが）に日本人らしいおねーちゃんがいた。ポイントの様子を聞かれたんで答えると、彼らはこれからツァーに出かけるらしい。
「一緒に行きます？」
「行きます、イキマス、どこでも連れてって」

慌てて、仕度をして戻るとそこにガイドらしいローカルがいた。
あれ？ずいぶん痩せちゃってるけど、ひょっとしてアグース？
イェー、久しぶり。と挨拶するけどどうやらワシを思い出せない様子。そりゃそうだ、１年前に３日間いただけだからね。

車２台に分乗して出発。お客はワシを入れて７人です。ポイントにはなんもないって事で、途中のお店で水やら食い物やらを調達。

車は東南アジアのベストセラー、
トヨタキジャンです。

このサワルナっちゅうポイントは以前だとボートでしかアクセスできなかったらしいけど、今回は山の中のガタガタ道を小１時間でアプローチできるようになったらしい。アグース達ががんばったのかな。どっちにせよボートだとけっこう高くつくらしいから、コレはラッキーですね。

とはいいつつも、一応舗装道路なんだが途中でブチ切れてガタガタ道になっちゃったりするし、舗装のいいとこでは100キロ近くでぶっ飛ばしたかと思うと、突然歩くくらいの速さになったり。しかもアップダウンの激しい道なもんだからけっこう疲れますな。

準備中

ガタガタ道を１時間半。やっと車を降りたと思ったら、そこから15分以上、人の家の庭先みたいな所を通り抜け、ゆらゆら揺れる針金巻いてるだけみたいな危なっかしい吊り橋を渡り、草っぱらを通り抜け、そしてやっと海が見えてきた。

そしてそこには、夢のようなライトハンドの波が規則正しく割れているのであった！

なーんてな事はぜんぜんなくて、うねり小さいっす。つうか、だーれもいないビーチで膝くらいのが岸でバッチャンしてるだけ。おもわず「波ねーぞぉぉぉ」と叫んでみる。

どうやら更に５分ほど歩いたビーチの端のリーフがポイントらしい。
どうやらリーフはいわゆる鬼の洗濯板で、干いてるせいかちょいと凶悪な雰囲気。波はセットでせいぜい肩くらいでしょうか。間隔も長そうだ。ただし、けっこうブレイクは速そうです。
ま、しゃーないわね。それでも風は無風だし、大きな川がないせいか海水も比較的青いっす。
これからカミングハイタイドで波は上がるだろうっちゅうアグースの読みで、まずはアグースがゲティングアウト。続いてワシも。

こんな感じです。

セットの間隔があるせいで髪も濡れずにブレイクポイントに到着。

ちょっと奥では肩くらいのがコンスタントに肩くらいで割れている。ただしブレイクはかなり速くアグースはもっとインサイドのほうが繋げるという。
入ってきたセットで１本目。腰くらいでしょうか、あんまり繋げず２回くらい振っただけで終了。その後はセットの間隔が長いわ、他の人達（全員ショート）も入ってくるわ。結局なんとなく全員奥へ奥へと移動。
ありゃ、アグースは上がっちゃいました。ちっちゃいもんねぇ。

結局奥も速くてすぐ閉じちゃうし、岸はリーフが腰くらいの浅さになってるわで、ミナサマはインサイドに戻っていく。
確かに、一発当てるとすぐに一旦閉じちゃって、その先からまた始まる波のほうが遊べそうだ。
でもそこにロングいると、この波数だと鬱陶しいだろうな、なんて事を思いながらそのまま奥に残るワシ。
肩くらいではあるけど、そこそこ掘れてグルグル巻かれたり。おっとあんまり流されると腰くらいのとこもありますな。リーフシューズは履いてるけど、気をつけなくちゃいけませんな。

なんて頭の片隅では考えるんだが、そのまま調子に乗って10本くらい乗ったとこで、例によって閉じちゃうセクションでグリグリ一回転二回転、三回転めくらいで頭のてっぺんあたりにガシと鈍い衝撃が。ぶつけるっちゅうより突き刺さる感じ。

ヤベッ、と思ったが更に一回転くらい。

いでで...。

なんとかボトムに足をついて（そこは肩くらいでした）頭に触ってみるとキッチリ穴が開いているのであった。 ボトムはかなり洗濯板状態で、尖ったリーフが腰くらいの浅さで突き出してるところもあり。
おまけに次のセットでちょいと流された拍子に、尖ったリーフにリーシュが引っかかって体がリーフの間にハマっちゃうわで一瞬プチパニック。あわててリーシュを外して、体を浅い方に引っ張り上げようとするとこにまた次のスープ。
アレですな、波乗りやってりゃわかると思うけど、こういうときは膝波でも自分にとってはオーバーヘッドになるわけで。

しばらく泳いだり、リーフの上を歩いたりして、なんとか岸にたどりついたもんの体もリーフで擦り傷切り傷だらけっす。
板はリーフの上に乗り上げていたけど、ディングの類はなくとりあえず無事。いやー、サーフテックでよかったわ。

頭部は血の巡りがいい。
ダラダラ血が流れてちょっといい感じ。

多分大丈夫だと思うんだけど、アグースが心配してくれて結局ミナサマより先にチマジャに帰ることにする。

ワシの板を持って先導するアグース。
ホントいいやつだ。どうして彼女できないの？

ドライバーが飛ばしてくれたせいか、小一時間でチマジャに到着。
とりあえず血ぐらい流さなきゃと部屋でシャワー浴びてから（傷が沁みる）、すぐ近所の診療所に行く。この時点で、既に血は止まっていたようです。
んー、村の診療所っちゅうか受付もなんもない平屋の建物ですが、かえって変な手続きとかなくて即縫合開始。いいなぁシンプルで。

こんな美味しいネタを逃す手はないので、準備をする医者の傍らでアグースにデジカメの使い方を教えるワシ。

とりあえず麻酔は打ってくれる

つうわけで、パスポート番号だのなんだのはもちろん、名前も書かず、にディングのリペアは終了。
縫合は３針だそうです。そんなもんか、チッ。

どれくらい海入っちゃイケナイの？という質問に「２日は入っちゃイカン」と。
抗生物質らしい薬を含めて２日分やらでお題は５万rpでした。

凄腕リペアマン、じゃなかったお医者様。
ありがとうございました。

サワルナからの車の中じゃ、「海入れないんじゃ、もう帰るしかないっしょ。」と便の変更手続き考えてたワシであるが、２日と聞いてじゃ、明日休めばいいだけか、と居残りを決定。「２日間」って今日入れてじゃないような気もするんですが、まぁ堅いことは言わないで。

ホテルに戻って、さすがにあとはオトナのワシでありました。ちょっと反省したかも。

ホテルのレストランの娘。
松たか子（別に好きじゃないけど）
ちょっと入ってカワイイ。
この子のせいで残ったワケじゃありませんよ。