これはデジャヴュだ。
とういうより20年以上前にバリの空港で見た景色がそのまま、飛行機の窓ごしに見えた。

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バリ、ウエストジャワと2箇所下見をしてきたけど、今回はロンボク。
インドネシア（いわゆるインドー）の中で、ワシが住んでる島から直行便が出ているメジャーなサーフディスティネーションはこれが最後だ。

もちろん他にも（日本だって）あるんだけれど、気軽に短い休みでいけそうなところはこの3箇所。
バリはもちろんメジャーな観光地。ウェストジャワはジャカルタ経由ということで、どちらも基幹路線のひとつなんだろう。どちらも複数の航空会社が飛んでるし、飛行機だって大きめ。
しかし今回のロンボクは直行便は1社だけ。

その直行便も、SARS騒ぎで減便してるのか、週３便が飛んでるだけ。
飛行機だって、いつものより一回り小さく、ターミナルから飛行機に続く通路が、やけに傾斜のきつい下りなのがワシの期待感を盛り上げるのだった。

空港の周りの景色は、今までのバリとも、大都会のジャカルタとも違う。そして飛行機がぐるりと地上を旋回して管制塔と空港の建物らしきものが目に入った時、デジャヴューがワシを襲ったのだった。

ロンボクは「20年前のバリがそのまま残っている」ってよく紹介されるんだが、空港をよく見ると20年前のデンパサール空港よりさらにこぢんまりとしている感じだ。

「ZZサン。」
今回もサーフボードを持っているのはワシ一人。
迎えのガイドのサイプルさんとドライバーがワンボックスのルーフに板を載せ、早速出発。もう外は真っ赤な夕焼けから、暗闇が迫ってくるところだ。

宿やガイドの説明を受けながら、ロンボクの中心都市のマトラム市内を通るがやけに街灯が暗い。
東南アジアの都市ならやたら走り回っているはずのバイクもまばらだ。
と、車がイキナリ路側に寄った。

真っ暗といえば、日没からまだ1時間ほど。街からもそんなに離れていないっちゅうに凄い星空だった。 バリでもウエストジャワでも星空なんか見なかった事に気がついたりして。

空港からの道はすべて鋪装で、車のとおりも殆どなく快適そのもの。1時間ちょっとで目指すクタビーチに着くという。
こないだのウエストジャワの下道でちょっと懲りてるワシとしては「近い近い」を連発して、サイプルさんに「ZZサン、ヘンネー」と苦笑されるのであった。

ホテルでチェックインしていると、サーフガイドが現れた。
アレフ君と紹介される。
精悍そうな顔に見えたが、目は優しい。
どんなとこに行きたいかと聞かれて、事前に調べてすいてそうなポイントの名前を2～３あげておいた。
翌日の出発は8時半ということだ。
もっと早くてもいいんだが、こちらが疲れていると気づかってくれてるのかもしれない。

部屋はサーファーご用達のバジェットクラスとあって、決してきれいではないが、清潔だ。
部屋に荷物を置いて、ホテルのレストランでナシゴレンとビンタンで夕食を済ませる。
客はワシ一人。ウェイターが寄ってきて向い側に座り、世間話をしてから、見上げるとものすごい数の星が見えるプールサイドを通り部屋に戻る。

さてさて初日はどうなることか。楽しみっす。
軽く一杯やってから目を閉じると虫の音しか聞こえない。
あっという間に眠りに向かってダウンザラインだ。