昨日大物は荷下ろし済だが、まだイロイロ余計なモンを削って、ヘリオスに詰め込み（結局前日にでかいザックでも使える事を確認）、Sに扇沢の車までおろしてもらう。 それでも、けっこう重いザックを背負ってSをターミナルまで送る。

さて、どこで滑べろうっかなっと。
１１時頃には連休で入るミナサマが到着する事であろう。
そのミナサマに私のライディングをご披露しましょうか、なんて事を考えながら、あてもなく歩き出したのであった。

あそこのピークからロックバンドすり抜けちゃおうかな、なんて事をぼんやり考える。
しかして勝手に歩は進み、どんどん登ってコルに到着。
登ってる最中に、以前滑ったボウルがほとんど手付かずなのに気がついた。

んー、あっち行っちゃえ。
ガレ場混じりの急斜面をガシガシ登る。
ステップがあるんで楽なせいもあるけど、背中の荷物は重いはずなのになんか調子いいっす。

さして苦労もせずにピークに到着しようとすると、上からのぞき込む人影。 何と昨日会ったフェイキー君達が先にピークについていたのであった。

ちょろっと周囲を見回してドロップポイントを決める。
手前は日陰で雪はよさげだが、スキーヤーと思われるトレースが何本か。
トレースのない面は日が当たってるから雪の状態はギャランティーというわけにはいかない。

他の2名はクランポン持ってないこともあって、結局直下の日影からドロップ。
ワシはレフトに残ってるトラックのない面目指してガリガリと岩だらけの尾根沿いに 高度を下げる。

ロックがなくなったあたりまで下りて一気に加速。

うひょひょひょひょ、ここも気持ちいいっす。
日陰の面からスキーヤーのトレースをまたいで日向の面をロングターン。
斜度がなくなったとこでいったん停止し、フェイキー君達と合流。

今日帰るという２人と別れ、雷鳥平目指してライト側にトラバース。
今度は起伏のある快適な中斜面を、緩いナチュラルパイプに当て込んだり、遊びな がらのクルージングざんす。

んー、これはこれでナカナカ楽しいもんである。
時々カリッ、ガツッとロックが当たるがおかまいなしで、どんどんトレースのない方向へ勝手に体が進んでユク。

こんな感じです /photo : zz

先は見えんけど何とかなるでしょ、と突っ込む。
フロントで軽く一当て、ボトムターンからヒールサイドでまた一発。
今度は深めで一発二発。

見通しのきかない出口でストールしてからブッシュを抜けて、ボトムに到着。
ブハーッ。
デザートというには美味しすぎる一本に、ココロがとろけ、そのままヘラヘラしながらテント場下の川岸に到着。

うひひ、笑っていいっすかぁ、って感じである。
しばしボーッと自分のトレースを目で追ったあと、ニヤニヤしながらテント場に戻る。

ん？ なんすかこの混雑は？このテントの数は？
自分のテントの場所を見失うほどの人出でオロオロしながら、やっとたどり着くと、そこにはテツと、白馬で一緒に滑った（白馬中級編参照）名古屋の強力（この場合 「ごうりき」と読んでくれ）自転車登攀チームのサイトが既に設営されていた。
今回の名古屋チームは5名でテントも２張りの大所帯。
これにテツと同行した水谷にワタクシでベースキャンプのできあがりである。

雷鳥沢のほうを見渡せば、アリさんの列のようにゾロゾロと登る人の列。
到着したてで鼻息が荒いテツたちは、これから大走りを狙うとかでテント場をあとにする。

で、ワタクシはといえば、既にもう満腹。
本日の営業は終了致しております、ってことでのんびりお茶でも飲みながら、けだ るい午後を優雅に過ごすナイスなミドルを決め込むワタクシである。

そして日も傾きかけた３時過ぎ、裏の沢を食ってきたテツたちが帰ってきた。
この日に入った笹もっちゃんチームや、水野君はじめ「チームなかじ」なんぞもテ ントサイトを冷やかしに来るわ、通りかかったノースフェースのツァーに参加してる奴等に声かけられたり、テント場はほとんど銭湯状態となったのであった。

3

さて、自転車強力ハイクチームはといえば、登り返してもう一本とかいうクソバカ 馬力ぶり。
ふつうこの時間から登り返すかぁ？
真っ暗になっちゃうでしょ。
と思ったら、あっという間に尾根筋に人影が現れ、夕日を浴びた斜面を次々にドロップ。
んー、こいつら絶対雷鳥平のギャラリー意識してるよなぁ。
でも、滑りはカッチョよかったよーん。

rider : ichikawa & murase
photo : zz

というわけで、テント場はあっという間に日陰となり、気温もどんどん下がってゆくのであった。

ここからZZの初冬テン泊初夜が始まるのである。