この島の政府は世界で一番商売上手な政府であって、なんでもかんでも金で済ませるシステムを構築していることは既に述べた。
クルマがらみでその傾向が顕著なのは、これも冒頭述べたとおりであるが、中心部の渋滞を緩和するとかなんとか言う名目で、ある時間帯に中心部に入るときにはカネ払え、つう事を10数年前に言い出した。
当初は月極めでシールを買って、フロントガラスに張れ、と。
10年程前に来たときに、都心の入り口にはチェックする係員が立っていたのを覚えている。
さて時は流れてIT技術も発達。そーゆーのが大好きなお国柄もあって、日本のETCシステムみたいなのをこの料金徴収システムに使い始めたのであった。
支払方法はプリペイド方式のキャッシュカード。
ICカードに事前に金額を貯めておき、そのカードをフロントガラスにある機械（システム立ち上げ時に強制的に買わされたらしい）に差し込んでおくと、ゲートを通過する際に自動的に残高から差し引かれるのだ。

このゲートについてる四角いのがセンサー。

５.完全非接触自動方式
入り口と出口に自動読み取り機があって、車載機に挿したキャッシュカードデータを自動的に差っぴく。
このシステム使うなら、普通これしかありえないだろと誰でも思うじゃん。でしょぉ？

入り口。白くて四角いのがセンサー兼非接触書込マシーンらしい。

出口も同様に非接触。
ただ、 入り口もそうだが、手前にチケット式と同じ機械があるのが非常に紛らわしい。ボタンを押してチケット取りたくなったり、カードをぶち込みそうになったり。

早いし、全然問題ない。
ところが同じキャッシュカードを使う他の方式もあるから大変。

６.接触支払方式

出口と入り口で、キャッシュカードをぶち込み清算する方式。
車載機はカンケーないのだ。
「キャッシュカード方式」というサインをめっけて、自動読みとりだと勘違いして、入り口でじっとして、後ろからクラクションならされてるクルマをよく見る。明日は我が身だ。

困ったことに、それでなくても清算の計算が遅かったり、読み取りが上手くいかなかったりすることが多いらしく、混む時間帯はこいつのせいで渋滞してる駐車場が多い。おまけに残額が足りなかったりするとお手上げ。
結局混む時間帯には、おじさんが脇に立ってたりする。

7. 入口非接触自動、出口接触支払方式

入り口には車載機用のスキャナーがあって自動的にゲートが開くんだが、なぜか出口は非接触でゲート脇に設置された機械にキャッシュカードを挿入して精算する。入り口が自動だったから出口もそうだろうと思ってゲートでボーっとしてると後ろからクラクションならされる。

8.非接触＆事前精算方式

こいつ がいちばんバカだな。

（１）入り口でキャッシュカードをぶち込んで、入車時間を記録する。
（２）駐車場にある精算機にカードを入れ、残額で精算

（１） →（２）

（３）最後に出口でまた清算済みのキャッシュカードを挿してゲートを開ける。

つまりこの方式の場合、入り口でキャッシュカードを挿入し、出口で精算するんだろうと思ってそのまま出口に行くとスタックすることになる。油断はならないのだ。

以上おおざっぱに8種類、カードの上下を加えると１０種類以上の精算方式が乱立しているのが現在のこの島の状況である。

さて、アナタはこれだけの応用問題をこなして、この島の駐車場にチャレンジする勇気があるだろうか？
ドライバーは初めて入るショッピングセンターの駐車場の入り口が近づくと、駐車場の料金精算方式が書いてある案内板を探しキョロキョロする。今までレポートしてきたような方式のうちどれが採用されているのかを確認しつつ、スバヤク対応せねばならない。
まごまごしようモンなら、後ろに並ぶクルマのプレッシャーで大汗をかく羽目になり、最悪の場合インターフォンのボタンを押して係が来るのを待たなきゃイカンのだ。

以上、今後この島の駐車場料金システムが更に複雑なものになっていくのか、それともいずれかのシステムがこの戦国状態から脱し、天下を統一するのか、注意深く見守っていきたいと思う。

これにて、この島における駐車場料金徴収システムについての考察を終了したい。

2003.10.