Vol.6 : J-Rock Krabi 合宿2007
しょにょイチ


中央のシルエットがタイワンドウォール。


またクラビだ。
前回仕事が裁けなくて金曜夕方出の日曜帰りっつう強行日程で行ったのが、案外調子いいじゃんっつうことで、軽いキモチでご提案したツァーが実現。
クライミングなんてそうそう毎日できるもんでもないんで、実質２日くらいで気軽に行けるのもいいじゃないですか、ということで。

今回も前回同様ｶｲﾁｮのご手配により、ガッカリ航空子会社のバジェットエアラインで出撃。


午前中仕事をこなして、午後の便でクラビに向かうのも前回同様。
ｶｲﾁｮもＮ皮君もデパーチャータイムギリギリまで仕事の連絡に追われている。
ｶｲﾁｮは携帯、ブラックベリーとビジネスガジェットマニアぶりを遺憾なく発揮。
ワシですか？キッチリ仕事を仕切っておりますので問題ございません。もちろん暇なわけでわないのでそこんとこ勘違いしないように。


例によってバジェットエアーであるからして、余計な液晶画面とかはない。
客室乗務員のミナサマは緊急脱出時のライフベストの使い方、飲物の販売（無料はナシ）なぞもやっておられる。ひょっとしたら簡単な機内清掃なんかもしてるかもしれない。
それはそれで正しい姿のような気もいたします。
要はバスガイドさんだもんね。

お客は圧倒的にヨーロピアン。
直行便が出てるにもかかわらず、ガッカリ島の住人にはバリだのプーケットだのが人気で、行くのはクライマーくらいです。


クラビの空港に着くとホテルの送迎車がキッチリ待ってっくれている。
けっこうちゃんとしたリムジン型のワンボックスで、インドネシアあたりのおんぼろとはグレード感が違う。
前回と違うのは、一人でシンハで乾杯するんじゃなくて３人で乾杯することかな。

今回お願いしたツァー会社の送迎は、反対側のアオナンからボートでってことらしかったが、ついたのはいつもの手前のビーチ。


ちょっと離れた港からライレイイーストまでの船はヨーロピアン３世代ご家族連れ様と同乗。
同じ時間の飛行機なんだけど、空はずっと明るい。

けっこうオンショア気味の風が吹いており、湾を横切る船に腰くらいの風波がぶつかるたびに船は横揺れ。
喫水線が波かぶっちゃったりしてけっこう楽しうございます。
これで死んだら保険とかおりんのかな。


宿に着いてチェックインをしようとしていると日本人らしきクライマーのご一行がチェックアウトの最中。
あれ、なんだか見たことある人かもと思ってたら、ｶｲﾁｮが声をかける。
なんと、クライミング界では高名な杉野保さんでした。
ちょうどワシとＮ皮君が今回のトリップにあわせて勉強中の本の筆者であらせられる。＞ｶｲﾁｮ、さすが顔が広い。
１週間ほどの滞在でほとんど雨は降らなかったそうで安心。


チェックインして晩飯はどこで食ったんでしたっけ。
とにかくクラビに来たからにはテッテー的にタイ料理を食わねばならん。
とりあえずトムヤムクンにカレーを数種と...。
マイルドな味付けながら、けっこうイケました。
ただしクラビはタイ南部。北部の名物料理であるソムタムとかはありません。


トリップ中は外れちゃう食欲リミッターであるが、今回のハズレ方はちょっとひどいかも。
バナナフリッターとかいうものを頼んでしまいました。
でもホクホクしてなかなかいけますな。
Ｎ皮君が頼んだパイナップルのほうはちょっと...。

まぁあすから２日、ガシガシ登るってことでよろしいんでわないでしょうか。


そんでもって、もちろんマッサージは外すわけにはいきません。
前回と同じおばさんが「おいでおいで」をしてくれる。
これまた前回同様、痛くもなくくすぐったくもない絶妙の揉み心地。
ちなみにこのマッサージ屋の「ママ」は若い女装の人です。

部屋に帰って空港で買ってきた酒なぞを飲んでるうちにほとんど気絶。バタンキューです。


夜明けのライレイウェスト。


さて翌朝。
打ち合わせどおりまだ暗いうちに出撃。
本日は前からカイチョが目をつけていたトンサイビーチの五つ星マルチピッチを攻めるのだ。
攻める？ワシにはおかがましいですな。なんせマルチピッチをやるのは２年前のクラビ合宿はタイワンドウォール以来。Ｎ皮君は初めてだし。
まぁワシらのマルチピッチトレーニングをカイチョがやってくれるということですかね。

なん過去の時点では夕べの酒が残ってる感じ。ちとマズイかも。


今回登るのは Humanalityっつう、6a+、6b、6b+、6b、6a、と続く5ピッチのルート。トンサイでも一番目立つ壁にあって必ず誰かが登っている人気ルートだそうです。
まずはビーチカフェの裏側からとっつく。
とっつきはTarzan(5)と呼ばれるHumanalityとは別に独立したルートになってるらしい。
で、最初は木登りから。
ギアだのをどうしようっちゅうことになったんだけど、ｶｲﾁｮはHumanalityのベースのテラスまで持ってきましょう、大丈夫ですよ、と。
でもザック重そうなんですけど。
イヤ大丈夫でしょ、とあくまで自信ありげなｶｲﾁｮ。

スルスルとｶｲﾁｮはお猿さんのように木登りを開始、あっという間に...あれ、固まってる。
やっぱしザックが重くて、スリングで支点作ってるうちに張っちゃったらしいです。
結局一旦降りてザックはカフェの裏にデポ。
実際ワシが登ってみるとなんてことのない木登り。やっぱｶｲﾁｮ、ザックが重すぎですよ。

そんなこんなでTarzanでバタバタしているうちに、あとからヨーロピアンの２人組が登って来たんで、初心者二人がいるパーティーといたしましてはお先にどうぞ、と。


出だしはテラスというよりちょっとした洞窟。もちろんトンサイベイが一望できて絶景です。
ここから先の1ピッチ目(6a+)は見えません。
もちろんトップはカイチョにやってもらわにゃどうしようもないマルチピッチ初心者二人組。
セカンドをワシがやって、最後にＮ皮君ということに。
ｶｲﾁｮからいいですよ〜、とトランシーバーに連絡があり（こんなん持ってるから重いんだが）、続いてワシ。ドキドキ。
テラスの出口がちょっとしたルーフで、こんなん続いたらどうしようと思いつつ壁に出る。出口で滑ってヒヤッとしたり。

ここからはけっこう面白いルートでございました。
ホールドはそんなに悪くないけど、そこはやっぱり自然の岩。自分でルートを探すのは難しい。
ビレイしてくれてるｶｲﾁｮの姿が見えないんで、その分スリルもあるし。

あーでもない、こーでもないやりながらふと見るとｶｲﾁｮがいるビレイポイントが現れて１ピッチ目は終了。
ちょうどワシが楽しめるくらいのグレードで満足度高しってとこでしょうか。
ワシはこのへんでイヤな汗がどっと出て酒がやっと抜けかけてきた。


見上げると先行するヨーロピアンチームが。


それにしても我ながらロープ捌きとか、ビレイディバイスのセッティングとかもたもたしてること。
一応ホントかで予習復習やってても、実際の岩場ではなかなかその通りには参りませぬ。
必要以上に時間がかかっちゃって、先行したヨーロピアンチームはとっくに見えなくなっちゃったりする。

続く２ピッチ目は、ホールドがわかりづらいところもあって1ピッチ目よりややテクニカル。
1ピッチ目より更にスリルを楽しめる感じ。
なるほど5つ星ルートなわけだ。


カイチョ。２ピッチ。


さて２ピッチ登ったところで既に３時間以上かかっちゃってますな。
ｶｲﾁｮは最初のTarzanで張っちゃったダメージが残ってるようだし、ワシらもなんとなくテンションがあがらない。ってことであと３ピッチ残ってはいるもののこのへんで撤退ということで。

次回のリベンジにかけるｶｲﾁｮ。苦渋の決断。


さてこれから最後の初心者講習。懸垂下降であります。
そんな基本的なことを...とはいってもいつもジムでスポーツクライミングに明け暮れるワシらとしては懸垂下降の機会はなかなかないのです。
やり方だけはわかってるつもりでも、60mの懸垂下降となると緊張します。

ビレイ点から見るとこの通り。

緊張、と言ってる割には途中で写真撮ったりする。

トンサイビーチ


ベースに置いてた荷物を片付けて、近くのビーチカフェで朝飯というか昼飯というか。
カフェのあたりは普通のリゾート客とクライミング客でけっこうな賑わい。
この人達に敗退してるとこ見られたわけね。

ワシらといえば、まだ昼前なのになんだか必要以上に消耗した感じでございます。


まぁまぁ、気を取り直してとりあえず朝食兼昼食でも。
こういうときはパッタイでカロリーを補給だぜ。

さて午後はどこ登りましょうかねぇ。

 

というわけで後編に続きます。トホ。

次回は必ず。

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