どうせ皆さん、ワシが昔の音楽ばっかし懐かしがって聞いてると思ってるんでしょうね。
勿論そうですよ。否定はしません。
だって、昔聴いてたアルバム、そして聞き逃してた音楽聴くだけで精一杯だ。新しい音なんて聴いてる暇ないし、だいたいラジオで流れてくるのは昔の曲の焼き直しばっかじゃん。そんあのに付き合ってる暇ねぇよ。
とはいいつつ、今年出たアルバムもちょっと買ってはいるので、せっかくだからご紹介します。

スピーチの新譜だな。
でどうだったかっちゅうと、「あんましよくなかった」です。
だってヒップホップなんだもん。

バーロー、スピーチがヒップホップでなにが悪い、と仰る方もいらっしゃるであろうことは承知の上だ。
でもヒップホップワシにとっては守備範囲外であり、そしてワシにとってスピーチの音楽は「ヒップホップ」じゃなかったのね。

昔っからブラックミュージック、及びソウルは結構好きで、ちょこちょこ聴いていたわけであるが、もちろんワシのこととてマニアにはなりきれん。
特にヒップホップはそのメッセージ性の強さから、「言葉わかんないんだから こりゃダメだ」「スクラッチ嫌いだしぃ」と早々に撤退していたのだった。

しかして、多少気にはなるわけで、ワールドミュージック絡みでアメリカのアフロアメリカン問題に興味を持ったりして、スパイクリーの "DO THE RIGHT THING" 見て、はぁこりゃヘビーだわと思ったりしたもんの、やっぱしパブリックエネミーにはついて行けないし。

そんなおり、なんとなくヴァージンの試聴コーナーでこんなのも聴いたりしたが、懐具合が寂しかったせいもありパスしたりしてた。
あとからわかったんだが、これがスピーチ先生のアレスレットデベロップメント時代の代表作だったんだな。

どうやら、それなりにワシの鈍いアンテナにも引っかかっていたらしい。

さて「ジャケット買い」っちゅう言葉があるけれど、これって大切だよね。
なんとなくピンと来て買って、新しい音に出会うことってたまにある。
そして出会ったのがこのアルバム。

スピーチの単独アルバムデビュー作だ。
多分なんとなく通りがかった 新譜コーナーでアルバム見てピンと来たんだな。多分試聴したと思うんだけど、即買ってそのままハマった。

なんせ音がかっこよかったんだな。

気が利いてるっちゅうか、他のヒップホップの人たちの「俺わ怒ってるんだぜー」「金ほしー」「ねーちゃん抱きてー」ヘイメーン、ヨォッ、ヨォッ、ヨォッ、ヨォッ、みたいなのとは明らかに違う、なんちゅうかインテリジェンスみたいなのを感じたのであった。

ギターのリフとか、アコースティックな音と打ち込み系の音のミックスもカッチョ良くて、スナオに音に体を委ねられたんですね、多分。
この生ギターのリフに打ち込み重ねるって手法はこの人が元祖で、最近パクリが非常に多いような気がするんですがいかがでしょうか。

そんなわけで、続くアルバム全部フォローしたりして、結構気にいってるんだが、今回のは買った中ではちょっとヒップホップ色が強いかなって感じっす。スピーチ先生的には原点に帰ったってことらしいですが。

ちなみに、この夏なんかの音楽フェスでスピーチとユッスン・ン・ドゥールが同じ日に出たようですが、どうだったんでしょうかね。