こっちでもCD屋なんぞを定期的にウロウロしてしまう。
今時のCD屋はたいていDVD屋も兼ねていて昔見た映画がお安くなってたりして、一通りざっと見たりする。
あくまでザッと。あんまりじっくり見るとイチイチ欲しくなっちゃったりして、そのくせ買っても日本語字幕がついてないからめんどくさくて、なかなか見なかったりするんで、ザッと棚みて、目に止まっちゃったらそれは運命でしょう、みたいな。

で、音楽DVDのコーナー見てたら、このDVDと目があった。こりゃ運命だな。

この人知ってます？ジム・クロウチ。
知ってる人でも、ワシの年代の人間でリアルタイムで聴いた人間は少ないと思う。なんせワシがこの人の名を知ったのは、当時洋楽にかぶれ始めて毎月買った「ミュージックライフ」のニュースみたいな欄で、この人がツァー中の移動で乗った軽飛行機が落ちてバンドもろとも全員亡くなったって記事でした。
なんかミュージシャンとは思えないようなイカチー髭はやしたおっさんだな、ちゅうのがそのとき見た写真の印象だ。

次にこの人に出会ったのは高校入ってから。じつわワシは仲間と３人でやってたフォーク（くぅぅぅぅっ、恥ずかしい）グループをやっていた。
さすがに日本のフォークのコピーは恥ずかしくなりかけていて、アメリカとかその辺のアコースティックなやつをコピーし始めていたのだが、 メンバーのオームラが「これやってみない？」と。
それが、かの名曲"Time in a Bottle"。
たぶんオームラは、歌がイマイチで、ワシがリードボーカルだったモンで、あの印象的なギターフレーズを弾きたかったんだな。
結局人前ではやらなかったんだけど、オームラ（土建屋の息子でお小遣いが豊富）が買ってきたレコード（ベストアルバム）をカセットにコピーして、その後もずっと聴いていたのであった。

ちょっと鼻にかかった独特の声と、特にバラードは心の奥底くすぐるようなメロディー、だけどどっか乾いてる。んでもってギターのフレーズが印象的。
気に入っちゃって、けっこう折々に聴いてたもんだから、最後はテープが伸びるくらいで、ちょうど輸入のベスト版がＣＤで手に入って、それを今でも聴いているという。マウイで楽譜めっけて思わず買っちゃったりしたし。
好きなんすよ、ワシ。

で、たまたまこの島のＣＤ屋でDVDを手に入れて、はじめて歌っているところを拝見いたしました。
どうやら、テレビに出演した番組の何本かのビデオを編集したものらしい。ずいぶん前のはずなのに、画面はにじみも少なくてきれいだ。最近のテクノロジーのおかげなんだろうな。

それにしても、くぅぅぅっ。
マリオみたいな顔してこんないい歌うたうんじゃねぇよぉっ。もう、涙が滲んじゃいますよ。マジで泣いてもいいですか。
全編、サポートのギターと二人だけ。これで十分。ギターの人（名前知りません）クールになくせにむちゃくちゃ上手いっす。
途中の語りも、大陸横断するトラックドライバーの話とか、元片岡義男かぶれのロンサムカウボーイとしては泣けるのだ。
肝心の"Time in a Bottle"と名曲"Photographs and Memories"の演奏がないのは残念だけどな。

あとから中に入ってた簡単な解説読んだら「没後３０年」記念のDVDでした。
なるほどねぇ、始めて名前知ったのはワシが14歳の時だったんだぁ。 （遠い目）