ロックの棚

 

EVERY PICTURE TELLS A STORY

Rod Stewart

1971

 

 

ロッド・スチュワートの出世作ですね。
元ジェフ・ベック・グループのメンバーで、ファイセスのボーカルのロッド・スチュワートから、ロッド・スチュワートのいるフェイセスに代わったっつうか。一本立ちしたっちゅうか。
田舎で洋楽ヒットパレード聴いてたワシにとってももちろん、初めて聴いたこの人の曲が「マギー・メイ」なわけで、その曲が入ってるのがこのアルバム。
その前はフェイセスなんて知らなかったし。

このあと、フェイセスはロッドと共にスーパーグループになって、しまいにゃロッドはグループ抜けてアメリカ渡って金髪に染めて、ケツ振って「俺ってセクシー?」みたいなポップスターになっちゃったわけだ。

"Sailing"あたりで充分その辺の怪しさはあったけど、最近じゃオールディーズかなんか歌っちゃって、すっかりいいおっさんのフリしてる今日この頃。まぁ、そんなモンなんだろうけど、おまえは堀内孝夫かっつう突っ込みを入れたくなるのはワシだけ?
やっぱ、大樹の陰に寄ったとはいえロン・ウッドのほうがかっこいいな。

「マギー・メイ」のほかにもタイトル曲はもちろん、"(I Know) I'm Losing You"なんか今聴いてもかっこいいなぁ。演奏テクとかはもちろん荒いし、音質とかもたいしたことないんだけど、そんなこと関係ないよね。

で、実はこのアルバムを買ったのはずいぶんと最近で、ワシにとってはいわゆる「大人買い」シリーズのアルバムですね。レコード屋(死語)でパラパラ特に目的もなくCD探してて、たまたまそういう気分だったのか、「そゆえば、このアルバムも聴きたいなぁと思っててここまできちゃったなぁ、よっしゃいっちょ買ったろ」みたいな。
でも、これがなんだかハマっちゃたんだなぁ。
南房総での波乗り帰りに、両脇タンボの田舎道走ってるときコレ聴くと妙に調子よかったりしたのだった。窓から入る風受けてフンフン、みたいな感じで。
基本的にはイギリス人のガキ共がブルースにハマって、南部のブルースロックを消化した、いわゆるスワンプロックなんだが、適度に泥臭かったり、スコティッシュな音もあったりと、その辺の田舎っぽさがけっこうよかったりする。

フェイセスの「馬の耳の念仏」はずっと聴いてたんだけど、なんで最近まで買ってなかったのが不思議ですわ。でも、この歳になって「発見」できたってのもそれはそれで、なかなか味わい深いモンがある。
ロックがロックとしてちゃんと存在してたころの音ですなぁ。


これはクラシックと呼ぶに相応しいでしょう。
★★★★です。
(2004.2)

ZZ's Private Beach Top | ZZ's Cafe | CD Shelf