言わずと知れたボビー・コールドウェルである。この人もAORを語る上で欠かすことのできないアーティストであろう、なんちて。

この印象的なジャケットは色々とパロディに使われてきたし、曲もバブルの時期に外国タバコのコマーシャルなんかでも使われたような。そのタバコ会社のスポンサーでやったライブを録画したビデオ、どこいっちゃったんだろ。
それでもワカラン奴には、一曲目の"Special to Me"が、えっとなんだっけ、ホレ二人組のぎこちない振りしながら歌う歌謡曲のヒトタチにカバーされたはずだぞ。歌謡番組なんかとっくに見てなかったワシが偶然、「アナタぁはスペシャルツーミィ〜」かなんか歌ってるのを聴いてしまい、全身鳥肌、思考停止、腰骨粉砕、激憤の渦に巻き込まれたものである。ありゃないよなぁ。

さてその１曲目の「スペシャルツーミィ〜」から、こりゃもうなんつうのアーベイン（田中康夫風）で、おっ洒落ぇな曲のオンパレード。
本人スティービーワンダーの影響受けてるとかで、言われてみれば声も歌い方も似てるし、ベースはＲ＆Ｂなんだが、ワシ的にはフロリダっちゅうかカリビアンな感じがした。
ボズはじめＲ＆ＢからAORっぽい音に入った人、それも西海岸のアーティストは多いけど、この人は明らかに違うような気が当時はしたモンです。

さて、今回この時期に取り上げたのはワシにとってはバレンタインデーにちょっと引っかかりがあるからなんである。
日本で発売されるずっと前、つうかAORのレコードなんて一部のそれが得意な輸入レコード屋で買うのが常だったわけだけど、多分アルバムが入ってくる前にこの人の最初のヒット曲にして代表曲の "What You Won't Do for Love" がシングル版で入ってきたのであった。
それも当時ワシがバイトをしていた六本木のお店（スニーカー屋です）のはす向かいにある、Winnersっつう輸入番屋で偶然めっけたのだ。
このお店は土地柄、ディスコのDJ向けに輸入のエクステッドシングル版を専門にしてる店で、ワシの嗜好には合わないんだけど、暇つぶしにたまに行ってたんだな。
そんでもってめっけたのがこのシングル。だってさぁ、透明のジャケットに入ってたそのレコードは真っ赤なハート型っだったんですぜ。ジャケットじゃないですよ、レコードがですよ、キャー。

多分、年明けとかそれくらいの時期で、モロ、バレンタイン狙いの企画モンだったわけだが、思わず買ってしまったワシはお馬鹿さん。
買ってからハッと気がついたのは、そういや日本じゃバレンタインって女の子からチョコをもらう日ってことになってたことと、ま、それはいいとしてお返しにあげるにしても、そんな相手は自分にいないことであった。
しょうがないから、義理チョコ（既にそういう風習はあった）くれた後輩に、「勘違いすんなよー」とか言い訳（お互い様だ）しながらあげちゃいましたよ。トホホ。

で、あげてからダビングさせてもらったら結構よくて、アルバム出たとたんに買ったわけですね。そんなイワクのあるアルバムです。
だっせぇよなぁ。

(2004.02.14)