（day1）
日本からの時差5時間ということで当然のようにまだ暗いうちに目が覚める。
明るくなってから食堂に上がると紅茶とコーヒーの入ったポットがすでに用意されている。嬉しいですねこういうの。
風はまだけっこう吹き続けていて海面には白波が立っている。

モルディブじゃ（大きい？）船は夜間航行しちゃいけないらしく、まだ夕べ停泊していた空港そばの船着場。
6時過ぎにアンカーあげて北アトールのポイントに向けて移動開始。

小1時間ほどでジェイルズが見えてきた。セットはオーバーヘッドかな。
ただサファリボートがすでに5〜6隻停泊しておりポイントは混雑している様子なんでパスしサルタンズに向かう。
ボードは空港から船まで送ってくれたドゥーニーに載せっぱなしで、そのままおっかけてくる。

うねりの向きか風があわないのか、チョイとサイズは小さいかも。
入ってるサーファーは10名くらいかな。うちのボートの皆さんは一緒に入るみたいなんでワシはちょっと時間をズラすかな、と。
1時間ほど待って、ワシらが入る前に入ってた数名があがったところを見計らって入水。

photo :Hiro-san

セットはオーバーヘッド。オフショアが強くて面はささくれ立ってるモノの、素直で長いフェイスが続くサルタンの波質は相変わらず。
とりあえずピークは避けて、でかいセットのショルダー狙いで波に慣れますか、ということで。
最初はなかなかタイミングが合わなかったもののだんだん慣れてきてロングライドもたまにできたり。
このどんどん伸びるショルダーはなかなか日本じゃ味わえないです。
最後の1時間はみんなあがったんで5〜6人となりかなり調子よく滑れましたわ。

そしてなんと言ってもワシと入れ替わりにあがったヒロさんがボートから撮ってくれた画像。
ワシ的には今まで撮ってもらった波乗り画像でベストなショットでございました。感謝感謝。

ここに載せるのはでかすぎるんで、嬉しくなってヒロさんの画像でアルバム作っちゃいましたんで、お暇な方は下の画像をクリックしてください。

午後は入りしなは空いてたもんの、どっかのリゾートからのドゥニーも現れてあっという間に混雑。
なんだかちょっとウンザリしちゃって、1本いいの乗れたからヨシとしてあがる。

海からあがるとフロントデッキに紅茶コーヒーとスウィーツが用意されててまったり一日を振り返ったりして。
あ〜、潮風がきもちいい。

photo : Gacha-kun

夜は風が強くなりそうとの予報に、ボートはジェイルの裏側に移動して停泊。
予報通り夕食時には雨も降り出しストーミーな天気となりだしちゃいました。

明け方には雨は止んだものの風は強いまま。
鉛色の空の下の海面は白波が飛びまくっている。

朝食後皆さんはドゥーニーでジェイルスに向かって行ったけど、ワシはこれじゃダメでしょとアッパーデッキで読書。
せっかく昨日いいのに乗れた印象壊したくないもんね〜。
昼飯後も風は止まず、さすがに一日ダラダラするのもなんなんで皆さんと一緒に出撃。
ポイントは停泊している島の裏側のJailsです。

本船はもちろんアンカー降ろしてるんで午後もドゥーニーで移動なのだが、海はけっこうな荒れ方で上下左右に揺れる揺れる。横波っぽいのを食らうと45度くらい傾くような感じで、マリちゃんのキャーキャーいう声が恐怖感を煽りますな。あはは、おもしれぇ。
うねりは頭半くらいかなぁ、強風時の鎌倉沖とかでマストサイズのうねりとかでウィンドとかよくやってたんでどうってことないですけど、普通の人はびっくりしちゃうよなぁ。

photo : Gacha-kun

島の裏側のポイントはオフショアで島陰でインサイドはなんとかブレイク。昨日のサルタンよりはちょっと小さいかな。
たぶんサルタンとかがもっと風の影響受けれるんだと思うのだけど、かなり（30人くらい？）の人出。特にギャーギャーうるさいヨーロピアンのグループがメインのピークに陣取っていて雰囲気あんましよくないです。
特にビキニの海パン野郎はサイテー。
Jailsはピークが二つあるんだけど、ワシはメインの脇っちょででかいののおこぼれを数本。
面はヨレ気味ながら頭サイズでピタっとレールが決まったロングライドを一本できたんでちょっと短めながらドゥーニーにひきあげる。

photo : Gacha-kun

ドゥーニーで待ってると風上側の空が真っ暗になり、ストームがきそうだってんでみんなに知らせ、土砂降りの雨と波の中をまたまたどんぶらこと船まで撤退っす。

ホンでわこの辺で今回のトリップメンバーのご紹介を。
基本的には今回のコーディネーターであるマルモ君繋がりで、去年ワシがいけなかった北スマトラとかにも参加してる面々。
まぁ大別すると、マルモ君の学生時代からの仲間と、彼が住んでる鎌倉の人たちのグループ。
それぞれみんな社会人で大人っつうか、それなりに地位のある管理職系の方ばっかし。なんでそーゆー人たちが1週間も休んでモルディブくんだりにボートトリップに来れるんでしょうか。ま、ひとの事言えんけど。

ホンジョーさん

アオタさん / photo : Gasha-kun

アオタさんもホンジョーさんと同期のサーフィン部のOB。
某機械メーカーの管理職。今回は釣り方面でも大活躍されておりました。
この二人はまさに腐れ縁ですね。ごめんごめんとか言いながら前乗りしたりされたり。

カトー師はフジタ君と並んで自営業。というか江ノ島で開業中の謎の鍼灸＆整体師。
トリップが始まった当初は満足に肩が上がらなかったアオタさんを、その技でピンピンに治しちまいおかげで波取りまっくってみんな迷惑、みたいな。

ホンジョーさんを治療中のカトー師 / photo :Gacha-kun

藤野さんとガチャ君は小学校から一緒。
藤野さんはイベント運営会社のブチョーさんだとかで、夏休みのイベント担当してるくせに初日からブッチぎってトリップに参加しているという豪傑。いいのだ、部下を突き放して育てるのも管理職の要諦である。
その割には電話繋がらないとマズイってんでイリジウム（衛星電話）をレンタルしてきたっちゅう。

ガチャ君はおとー様の会社を継がれるらしいのだが、なんかアート系に走ってる感じなんですけど大丈夫なんでしょうか。ワシ以外では唯一のロングボーダーながらガンガンハイパフォーマンスな攻めを見せてくれている。

お三人はマルモ君と七里のこじきポイントのローカルっちゅう繋がりだそうで。

（左）フジノさん / photo : Gacha-kun （上）ガチャ君 / photo : Fujino-san

ヒロさんは音響系メーカーのこれまた管理職つうか事業部長だそうだ。
扱ってる製品の関係で世界中のクラブに夜な夜な出入りするのが仕事（そんなんアリか）だそうで、ワシには絶対勤まらないっす。なんかの縁（詳しいことは忘れました）でホンジョーさんと知り合って、仲間になったそうです。

名人はヒロさんがキャリフォーニャーに赴任していた時の波乗り仲間で、通信系メーカーの管理職。高校生の時に所属した自転車部のムチャクチャ話は腹抱えて笑えました。
なんせ多趣味な方で話題は尽きません。

（上）名人 / photo: Hiro-san （右）ヒロさん

んでもってフジタ君はワシとは北スマトラやらご一緒させていただいた仲。
北スマトラの時はロングでガンガン攻めてたたのに、突然ショートにワザワザ転向して苦労してるマゾ系。

フジタ君 : photo :Marumo

そんでもってお馴染みのマルモ君とマリちゃんのご夫妻というわけで多士多才、世の中にはこういうバカおやぢがけっこういるんだなぁと頼もしくなるとともに、日本の将来がとても心配です。

夜明け前に甲板でクルーがドタドタ走り回る音で目が覚める。ストームはまだ続いているようだ。
まぁ船に別状はなさそうなんでそのままウトウトして明け方デッキにあがってみると、隣に停泊していた3本マストが流されたらしい。

どの船も島の風上の環礁の中に停泊してたんだけど、3本マストは強風でアンカーが効かなくなった上にエンジンが故障しちゃって島の手前の浅瀬に座礁しちゃったらしいです。

朝飯終える頃にはなんとか雨は収まり、風もやや弱くなったものの海面はまっ白。
予定ではホンジョーさんが合流したところで南アトールに移動する予定だったのだけど、この状況では船を動かせないらしい。

ま、とりあえずドゥーニーは出せるってことなんで、早めの空いてる時間を狙ってどんぶらことJailsに。昨日よりオフショアがさらに強くてぜんぜん板が降りてきましぇん。とりあえずかろうじて1〜2本滑っただけ。

これが今回のドゥーニー

午後はノーサーフをきめつけてまたもやアッパーデッキで読書＆お昼寝です。
座礁した船は最初漁船で引っ張ろうとしたらしいけどロープが切れて断念。結局陸からユンボで陸側の深いところまでけん引して無事救助してました。
この間ドゥーニーで出かけたみんなも、結局この辺のポイントチェックしただけで海には入らず帰ってきた。

それにしてもこうなっちゃ、もう何もやることないんすよ。
でも今回の旅はこれがけっこう飽きないのであった。

一つはお話。
参加メンバーはみんなワシとおんなじ年代なんだけど、話が達者でおもしろい。特に「名人」の自転車部時代のお話など爆笑もの。
名人は音響関係のお仕事をされており、今回のトリップ用に自作の携帯アンプ＆スピーカーを持参されていたんだけど、ワシのiPodに入っている懐メロシリーズが皆さんのツボにはまったらしくけっこう受けたりして。
通常はずかしくて人前ではかけられないような懐メロなんですけどねぇ。

オーボエ？クラリネット？を練習中の名人

さて、波乗り以外にはたいしてアクティビティもないボートトリップ。
それなりに読書だの音楽だの（ホンジョーさんはトラベルギター持込み）で時間はつぶすけど、食事は一つの大きな楽しみだ。刑務所と一緒ですね。
なだけに飯がまずいとかなり辛いのだが、今回も食事はオッケー。
朝食はトースト、麺類にスープなんだけどけっこう旨い。
特に2度ほど出てきたパンケーキは、レストランで厨房に文句つけに行ったほどのパンケーキ好きのフジノさんのお墨付きがでるほど。
夕食も毎日デザート付きの、ディナーといっていい味とボリューム＆バラエティーでございました。

夜は船尾で釣り大会。
いやいや皆さん多趣味で飽きさせませんわねぇ。

それにしても風が止んでくんないといつまでも北アトールに釘付け。まぁ普通のモルディブボートトリップツァーなんてのは北アトール周辺だけらしいんだけど、そんなことで満足できるおぢさま達でわないのだよ。

今夜は本格的にアッパーデッキで寝るかなぁ。

Part 2 : Down to South に続きます。