さて、当初の予定ではミナサマが帰る日曜から更に３日滞在する予定のZZであるが、既にメゲ気味。
だって、だって、天気予報じゃ明日から天候が崩れるって言ってるし、それも悪天候は４・５日続くっていうしぃ。

すでにシングルウォールの弱点を目の当たりにして凹んでいるワタクシとしては、吹雪の中での停滞はご勘弁願いたいわけである。 おまけに仮に途中で晴れても、テントを含むこの荷物担いで、新雪の中ターミナルまでラッセルすること考えると、もうココロは「八甲田死の彷徨」である。
加えて前日突然左肘が痛み出し、ほとんどストックを握れない状態となっていたの だった。
多分登りでストック突くのに無理しすぎたんでしょう。あー情けない。
腰もジンワリ痛いし、食料もなんだか乏しいし、と帰る理由が次から次へと浮かぶ浮かぶ。

つう事で、この日で撤退することに決定！
ずっと一緒に立山通いを続けてきた、イチロヲちゃんには悪いけどヘナチョコオヤジのコ コロは決まった。
というわけで、これが最終日です。いいわけ長すぎ。

早朝、天気は相変わらずの快晴だが、天候の変化を告げるのかのように雄山の稜線上は既に強風で雪煙がバシバシ舞っている。

稜線は強風

今日も聞くだに恐ろしいハイクチームの滑走計画をヨソに、最初っからヘナチョコチーム結成を宣言。

前日「男」を使い果たした水谷と、残り物のパウダーを軽く食って、さっさと撤退するのだよ。 まだ食い残しはあるしな。
３日目デザートにいただいた沢は既にギタギタであるが、その一本奥がほとんど手付かず。北斜面だからまだ、粉は残っているとの読みである。
それにしても、なんで誰も入らないの？
エントリーポイントからボトムが見えないからでしょうかね、気になってしょうがないのである。

使い物にならない左手は捨て、ストックは右手のみでテント場を後にする。
ギタギタの隣の沢はトレースが既に表面も固まり、登りも楽勝。
室堂山荘下のボウルに続く斜面からは、テレ軍団のミナサマが８の字を書く歓声が聞こえるのであった。

テント場から見ると、奥に２本トレースがついてないのがあったのだが、どちらも合流する沢までの長さはおんなじくらい。
手前のほうが当て込みやすそうなウォールになってるって事でこっちを攻めますか。

水谷がファーストを譲ってくれたんで、今回最後の締めくくりの１本をドロップイン。 加速したままバックサイドでバシッとスプレー上げたるぜっ！のつもりが、案外表面が硬くズリーッとスライド。

だけどボトムはスィートなドライパウダーなのだ。
うひょひょと当て込みつつ、本沢に滑り込む。
かなり沢は深くて上から雪崩食らったら一発であろう。
既にガタガタになったボトムから雷鳥平下に滑り込み、今回の滑走は終了。

ターミナルが混雑する前に さっさと撤収準備にかかる。

Mizutani / photo : ZZ

こりゃ４０キロ近くあるんじゃねぇかっていうザックをヒーヒー言いながら、荷揚げっす。
途中のみくりが池温泉では小屋閉めの最中。

みくりが池温泉の小屋閉め

やっとの思いでターミナルにたどり着き、コワゴワ改札の秤にザックを乗せると、これがナントたったの２５キロ。
バーローなんかの間違いじゃねぇのか、ボード入れたら５０キロはあるだろう、クソーッ。
いつもだったら、超過料金ラインの１０キロを切るよう、必死になるのに今回は逆である。

すると後ろでニコニコしながらそれを見ていたターミナルの駅員さんが、ワタクシ にトドメを刺した。

「ハイッ、２０キロ以上はさらに超過料金いただきますっ！」

お後がよろしいようで、ってことで2001-2002 シーズンの幕開けです。