今年もこの時期が来た。
秋の立山合宿ですな。
帰国後は春にはいかなくなっちゃったけど秋はやっぱり初滑りということで外せないのだ。
そして今年もイチロヲちゃん含むBWBのみなさんとご一緒。
去年の敗退ツァーのリベンジ！のはずなのだが、ぜんぜん降ってないんですけど。
2週間くらい前にひと降りあったっきり。

積雪5ミリ

ナニがいいって、このインナーのヘビ柄が、ってこの人大阪のおばちゃんかもしれない

まぁ、温泉ツァーですから、なんて強がり言ってたのだが、直前になって弱気の虫が顔を出し、イチロヲちゃんに「もし他のメンバーがやめたいっていうんなら、行かなくてもいいよ」なんて電話してみた。
しかしてそのお返事は「ナニ言ってんですか！みんな行く気満々ですよ！」と。
あぁ、そうであった、BWBとはBad Wednesday Boysの略なのであった。
白馬はカラースポーツの水曜日常連組は、なぜかコンディションに恵まれず、毎回吹雪だガスだ、ホワイトアウトだとロクなコンディションに当たらないことから、こう名付けられた人たちなのであった。
そして今やロクでもないコンディションをこそ楽しむまでに修業をされていたのである。
ワシは我が不明を深く恥じた。

でもって今回はいつもの「はつかり」終電、松本でイチロヲちゃんに拾ってもらって扇沢の駐車場で仮眠、のパターンから、東京郊外に住むBWB隊員「帝王」セス・アライと一緒に行くパターンに変更。
アサイチの中央道をひた走ったのである。

が、やっぱし雪がない。
大町あたりは完全な乾燥路面。
昨夜ちょっと冬型になったはずなんだけどね～、遠くに見える北アルプスの山々の頂きもなんだか白さがたんないような。
いやいやこれが扇沢あたりが近づくと...ぜんぜん降った様子がないのであった。
う～む、これは史上サイテーな予感が...。

扇沢のターミナルでは脱力系のお土産販売が。

 

 


駐車場ったら完全に乾いてるし、寒くないから支度が楽だわ。
帝王セスは古い板をそのまま持つだの、コンディションの悪いバックカントリー用に下ろすだのといった女々しい発想はないらしく、去年のはぜんぶネットで売っぱらい今回も新品の板らしい。
1～2回滑っちゃえば傷なんて気になりませんよ～、とあくまで男らしい帝王であった。
なんてやってるとイチロヲ＆緑クレヨン隊員改めＧロボナカノ（以下Ｇロボ）も登場。
わはは、ところで板持って上がるんですかぁ？

地肌が見えてるぅぅぅ。


「も～ちろんですよ～」とイチロヲが準備し始めたのは2本板。あれスプリット？
い～え、ヘルベントです。
そうなのだ、今回はイチロヲのバックカントリースキーデビュー戦なのだ。
帝王セスの影響を受けて、2本板に転びかけているイチロヲであるが、ついにバックカントリー方面にまで進出せんと企んでおるのであった。
ちなみにＧロボ隊員はスプリットということで扇沢組はワシ以外全員シール歩行なのだ。

ロープウェーもガラガラ

そして眺めも...


というわけで、まずはトロリーバースの乗り場に団体客のミナサマと並ぶ。
ちなみに滑り目的の客はワシらだけ。
いくら雪が少なくても必ずもう一組くらいはいたもんだけど、こんなの初めてで～す。
いやはは、これ湯あみ板ですんで。いつものようにトロリーバス、ケーブルカー、ロープーウェイなんぞを乗り継いでやっと室堂ターミナルに到着。
ここでBWB日本海支部のイセ隊員と合流。富山もぜんぜん降ってないとさ。

いやははは、滑れる斜面がない....


とりあえずターミナルの出口から外に....ははは、一応昨夜降ったらしいけどぜんぜん雪ついてませ～ん。
チョコチップどころか、岩だらけで～す。下草も出てま～す。
こんなに雪ないのは初めてで～す。

みくりが池もぜんぜん凍ってませ～ん。

 


ダメだこりゃ。いつものようにみくりが池温泉にチェックイン。
ま、とりあえず周りの様子見てきますか、と。
ちょっとまった～、その前にやることが。
とイキナリ宿の入り口で始まったのがイチロヲのシール作成。
えっと、説明が遅れましたがシールってのはスキーのソール側に貼る歩行用テープでございまして、その昔はアザラシの毛皮とかで作られており歩くと前にはスッと進むけど、後ろ向きには毛皮の毛並みが引っ掛かっるという代物。
もちろん今は化繊なのだが、板のカーブに合わせて自分で切る作業をこれからやる、と。

 

しゅっぱぁ〜〜〜つ


30分ほどあぁでもねぇこうでもねぇやって完成。
初めてシールで歩くイチロヲは、歩きだしたとたん「をぉっ、スゲ～！」と感激の様子。
この時点では、これから待ち受けている苦難は予想できないイチロヲであった。

雪はねぇです。ねぇったらねぇ。
ツボ足でガシガシ行けちゃう。
ワシはめんどくせーからツボ足で、板は持ってくことにした。
普通だったら見渡す限りの白銀の世界のはずが、どこの斜面もガラガラの岩場にチョロッと雪が被っている程度。
どっかに溜まってないかの～。

雷鳥沢かの～。あれ、一応滑ったあとがあるぞ。いつもの雷鳥荘下の斜面もゴロゴロ岩だらけ。どうすっかな～。
そこにスキーを担いだ2名が登場。ちょっと言葉を交わすと雷鳥沢を滑ってきたと。
いや～、板のこと心配してたら滑れませんね～。扇沢での勢いはどこへ行ったか、帝王セスは「じゃ、引き返しますか」と。
い～や、ダメ。

ホレ、あそこあたりはかすかにラインが見えるぢゃないですか、え？
ここであっさり引き返しては、ネタとして成立せんではないの、とさっさと板履いて滑りだすワシ。パウダーイェ～ッ！
っと声だけ大きくて、我ながら腰の引けた滑りだし。
イエ～ッツ！ガリッ、ヒョ～ッ！、ゴリッ。
だはは、今回10年前の初代マックスフォースを山用に下ろしたんだが、いきなり魂入っちゃいました。


とりあえず初滑り



Iseさん、すでにTTボロボロ

 

 

スキーヤーチーム
続いて渋々Ｇロボ、イセさん、イチロヲ、帝王とどんどんやる気のない滑りで降りてくる。
「じゃ、これで戻りましょうか」
と言わせる間もなくＧロボが「あっちなら繋がるかも」と登りっ返す。
わはは、なんだか似たようなもんだわ。


zz / ほれまだすべれるぢゃ〜ん

「じゃ、これで戻りま...」
「い～や、レフト側いけるぢゃん、大丈夫ダイジョウブ」
って全然大丈夫じゃないのだが滑りだすワシ。
ほら、天気も快晴だし～。
パウダーイェ～！ガリッ。ってなことで、結局雷鳥平までミナサマを引っ張ってきちゃいました。
イヤ～誰もいないわ、テントの一張りもないもんね～。
う～む、さっきのスキーヤーが一人登ってたあっちなら滑れたかもなぁ～、てぇ尾根方面を見上げると確かに一人登ってる。うむ、尾根裏なら溜まってんのかなぁ。

ホラあそこに人が！（カーソルあわせてください）

 

 


雷鳥平：だれもいませ〜ん

イチロヲ達がシールを張ってる間にも、どんどん称名川方面に。
たぶん平地で歩く練習するつもりだったのかな。
「じゃ、これで戻り....」
「あっちは？」
「ホレ、雲がどんどん流れてきたし」
「じゃ、尾根は無理だから雷鳥沢のとっつきちょっとだけ」
とどんどん川を渡るワシ。
風で叩かれて締まった雪とガレ場のミックス地形はスノーシューが最強？
シールにはサイテーなコンディションかも。


ま、いいじゃないすか、練習になるし、とどんどん登る。かなり登ったところで、さすがのワシもやっぱし見れば見るほど滑るの無理そうだと
気がついてくる（もっと早く気がつけよ）。
う～ん、じゃそろそろ諦めますか。
と見下ろす斜面は岩だらけ～。
でももうちょっと登っちゃお。

わはは、滑る斜面ないぞ


みんながシールとか外している間に、ちょっと上まで登ってみたものの､草だらけ。

でも岩が見えないだけマシ。

都会って滑り出しから草に引っかかっちゃって転けたりするのだが。
結局、雪ついてるとこだけ選んでも、雷鳥平までロクな斜面ありませんでした～。


でもシブトク川のそばまで板履いてたけど。
これでマックスフォース君も完全な山の魂吹きこまれたぜ。

ロックスキーってヤツだな

雷鳥平でちょっと休んでると、尾根方面からスキーヤーが登場。
やっぱし尾根裏よかったみたいです。
う～ん、行けばよかったかなぁ。





でもまぁ時間的にキツかったろうから、まぁここは大人で（充分ガキだ）戻るとしますか、と雷鳥荘下斜面の登りっかえし。

ガンガン登って滑ったあと、特にパウダーだとこの斜面がきついのだけど、全然問題ありませ...あれ、イチロヲかなり消耗してるかも。
そりゃそうですわね、帝王のアドバイス受けながらとはいえ初めてのシール歩行で、このシールにはサイテーなコンディション、かつ帝王曰く「逆ベントのヘルベントにはムリ」だもんね。

ぜんぜん埋まらないから楽です。

オラオラ、ツルツルだぜ〜ってどこが？


ワシもスキーでバックカントリーやっちゃおうかななんて下心もあったけど、これで完全にやる気なくしましよ。いやいや、さっきの雷鳥沢滑ったあとだと雷鳥荘下がスムースな斜面に見えるから不思議。
せっかくなんで、短いの1本滑っちゃいました。

我ながらなんか元気だな～と思ったら、ビーコンもショベルもプルーブも宿に置いてきてザックはカラ同然なんだよね。

シールでかかと上がってときては下りはかなり厳しい


このコンディションでの初シール歩行はかなり厳しかった模様で、後半イチロヲはかなりヘロヘロ。
やっぱタラタラの平坦かつ柔らかい雪のコンディションでの装備と言えそうですね。
ちょっとワシもチャレンジしてみようかな〜なんて思ってたけど、今回のイチロヲ見て修行の道は厳しそうだと考え直しましたわ。
そんでもってGロボのスプリット見ても同様。
スプリットは組み立てとかのハードルがさらに高そうっす。

同じ民族とは思えない体格差。USサイズでS（でもでかい）とXLの差はこんなもん。

イチロヲ

さてさて宿に戻って早速フロ！サケ！

ZZファームで掘りたて茹でた落花生とか、例によっておつまみ方面も豊富、イセさんは大容量のプラティパスに酒１升となかなか豪華な酒盛りです。
とはいえ元気だったのもつかの間、ワシときた日にゃあっという間に気絶。

身動きできず。

晩飯腹一杯食って、"Signature" & "End of the Line"の上映会を喫茶コーナーで始めた頃には、既にワシは半気絶状態。
みんなも疲れて全部は観なかったみたいっす。

天気予報じゃ２日目３日目は天候不良は確実、ってことで一晩で撤退決定だぁっ！はぁ〜っ、今年もダメなのねぇ。


部屋に戻って、アルコールで半壊状態のＧロボトークショーでげらげら笑いながら夜は更けていくのであった。
それにしても帝王もGロボも若い頃はクラブ（夜のほうね）通いでナンパしまくっていて、それも同じクラブに出入りしてたらしく、ひょっとすると「兄弟」かもっての煮は笑えましたわ。

 

 


昨年同様ターミナルでカラー御一行様を待ち構え、呪いをかけてから下山。
降りてみると扇沢は雪景色。
遅いっつーの。

最後に改めてデイブ・カラマ師の「ジャンクなコンディションでも楽しめるようになれば、コンディションがいい時はもっと楽しめる。」というお言葉で締めくくらせていただこう。
でもなんかBWBと一緒に遊んでるとそのうち「ジャンクなコンディションしか楽しめない」人になりそう...。

ということで、今年も楽しく安全に遊べますよ〜に。
そして来年も絶対来るぞ！懲りてたまるか！

みくりが池もちょっと凍ってきた

今ごろ遅いって

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